HIYAMA MAGAZINE

2023.02.27 第41号

NSKシンポジューム2022に参加しました!


(図1) 口腔機能自己チェックリスト
1つでも当てはまる項目があれば要注意!



(図2-1) 口のささいな衰えの放置のリスク



(図3-1) オーラルフレイルと生存率

令和4年12月11日、鹿沼市にある歯科医療用機器製造会社、(株)ナカニシで開催されたシンポジウム「人生百年時代超高齢社会における歯科医療従事者の向き合い方」に院長と共に参加してきました。座長は日本大学歯学部摂食機能療法学講座の植田耕一郎教授です。植田先生は『再び口から食事をとれるリハビリを』を目標に、長年摂食・嚥下リハビリに取り組み研究してきた、国内ではパイオニア的存在です。超高齢社会を支える歯科医療の役割、フレイル・オーラルフレイル予防に歯科はどう関わるか?終末期における歯科医療の威力について傾聴してきました。

摂食・嚥下機能とは
「摂食」とは「食べること」を指し、「嚥下」とは「飲み込むこと」で、食物を認知し、口の中から食道を通って胃に送り込むことです。通常私達は、特に意識せずに口に入れた食物を噛んで飲み込んでいますが、口腔機能が著しく低下し、咀嚼障害や摂食嚥下障害が生じると、栄養を十分に摂取することができず、栄養障害や脱水に陥ります。栄養障害の結果、全身の筋力、更には食べる機能に関連した筋力も低下し、摂食嚥下機能の障害がさらに進行するという悪循環に陥ります。口から食べることは人生の最期まで残る楽しみです。摂食嚥下障害による食べる楽しみの喪失は、QOLの低下に直結し、社会性や精神心理面にも影響を与えると考えられます。

フレイルとは
「フレイル」とは英語のfrailtyのことで、日本語で「虚弱、衰弱」に当たります。高齢になって心身の活力(筋力、認知機能、社会とのつながりなど)が低下した状態をいいます。筋力などの身体機能の低下より先に、社会参加など他者との交流が減ったり、口の機能が衰えること(オーラルフレイル)から始まります。

オーラルフレイルとは
「オーラル」は「口、口腔の」という意味なので、「口腔の虚弱、衰弱」という意味になります。オーラルフレイルは、口に関するささいな衰え(図1)を放置したり、適切な対応を行わないままにしたりすることで、口の機能低下、食べる機能の障害、さらには心身の機能低下まで繫がる負の連鎖が生じてしまうことに対して警鐘を鳴らした概念です。

フレイル、オーラルフレイルともに意識的なアプローチによって老化を緩やかにし、失われつつある機能を回復させる(健康な状態に戻れる)ことが分かっています。
オーラルフレイル予防のために
(1)かかりつけ歯科医をもちましょう。
(2)口の“ささいな衰え”に気をつけましょう。
(3)バランスの取れた食事をとりましょう。
“ささいな衰え”見逃さず、健康長寿!

(藤田)

私のオススメ!


Wikipediaより

金子みすゞ
『野茨の花』
白い花びら棘のなか、「おうお、痛かろ。」
そよ風が、駈けてたすけに行ったらば、
ほろり、ほろりと散りました。
白い花びら土の上、「おうお、寒かろ。」
お日さまが、そっと、照らしてぬくめたら
茶色になって枯れました。

私の恩師、故大山紀美栄東京医科歯科大学名誉教授(歯科矯正学)は、歯学部学生に対する矯正学講義の中で、この金子みすゞの詩を必ず紹介されました。患者と向き合う医療従事者としての心構えとして、ひとの身体と心の痛みに寄り添う大切なことを説くのに相応しい意味深い詩であると感じておりました。
金子みすゞの作品で耳に残っているものといえば、東日本大震災後にACジャパンのCMとしてテレビで繰り返し流れていた『こだまでしょうか』・・・

「遊ぼう」っていうと「遊ぼう」っていう。
「馬鹿」っていうと「馬鹿」っていう。
「もう遊ばない」っていうと「遊ばない」っていう。
そして、あとでさみしくなって、
「ごめんね」っていうと「ごめんね」っていう。
こだまでしょうか、いいえ、誰でも。

東日本大震災後の人と人の絆の大切さがあらためて見つめ直されていた時期に、この詩は人々の不安に傷ついた心をどれほど癒してくれたことでしょう。
明治36年(1903年)生まれの金子みすゞは、大正末期から昭和初期に活躍し、512編もの詩を発表したとされますが、26歳の若さで服毒自殺を図りその人生の幕を閉じました。放蕩三昧の夫からうつされた淋病に苦しんだこと、詩の世界での活動を禁じられたこと、心の支えであった愛娘の親権を離婚によって失ったこと等が原因といわれています。「読むひとの琴線に触れるようなその詩は、自然体で優しく、全てのものに対する慈しみに溢れている。この繊細な心をもった詩人は、他人の何倍もの辛さを感じ、傷を負っていたことでしょう」との恩師談。
金子みすゞの詩、おすすめです。

(院長 檜山 成寿)

認定証が届きました


当院院長が、日本矯正歯科学会認定医・指導医の資格更新手続きを終え、資格認定証が届きました。日本矯正歯科学会指導医は現在栃木県には4名しかおらず、当院で勤務するスタッフとして誇らしい思いです。

(富川)

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