HIYAMA MAGAZINE

2022.02.21 第39号

むし歯の歴史についてご説明します!

むし歯は身近な歯のトラブルの代表的なものの一つです。しかし意外とむし歯のルーツは知られていません。今回は人類と根深いつながりがあるむし歯の歴史について、印象深いものを8つに分けて紹介していきます。

(1)狩猟時代から農耕時代への移行とむし歯
弥生時代、農耕時代への移行に伴い口の中がデンプン質で満たされるようになると、むし歯が増加し始めました。このころの人類はむし歯の激痛から逃れるためにお守りを身につけたり、神に祈りを捧げたりといった手法でしのいでいたようです。

(2)古代エジプト人とむし歯
古代エジプト人たちの食事は穀物でした。主にパンが食べられていたのです。その時代の環境により、パンに製造工程で砂やさまざまな鉱物が入り込みました。そのことが人々の歯を傷つけ、むし歯などの歯の問題を引き起こしていたようです。この時代はむし歯の痛みを和らげるためにハーブなどの植物、金が詰められていました。その後、 歯に穴をあけてそこから膿を出すことで歯の痛みを和らげることができると気付き、治療法が進化していきました。治療法といっても麻酔のない状態で『キリ』のような道具で歯に穴をあけるといった手法です。その残酷さから今日では【悪夢なような治療】と言われているのも納得です。

(3)『歯の虫』と燻蒸法
紀元前五千年頃のバビロニア王国の遺跡でみつかった粘土板に、『むし歯の原因は歯の虫である』との記述があります。むし歯の原因が【歯の虫】であることは18世紀まで人々に信じられていました。この当時の治療で歯に穴をあけた際にみた歯の神経(歯髄)を虫と勘違いしたとも言われています。【歯の虫】が原因のむし歯の治療法として燻蒸法が提唱されました。ヒヨスの種子を炭火の上にふりかけて燻蒸し、その後温湯でうがいをすると小さな虫が追い出されるというものです。

(4)一五世紀むし歯の歴史の転換期
ここでむし歯の予防対策、歯科衛生という意識が生まれました。人々はきれいな布で歯をこすって清潔にし、口の中から汚いものを取り除く知識を持つようになったのです。

(5)ホワイトニングの誕生と砂糖の影響によるむし歯
中世ヨーロッパ人は歯を綺麗に見せることを重要視していました。歯を少し削って、そのあとに硝酸や焼いた白大理石などの白い物を付着させるというのが当時のホワイトニング手法です。この頃むし歯に悩まされていたのがエリザベス一世です。中世イギリスでは上流階級の間で砂糖菓子という贅沢品が嗜まれていました。大のお菓子好きだったエリザベス一世は、お菓子を食べてはホワイトニングのために歯を削ることの繰り返しで歯髄が剥き出しになっていたとのこと。まだ砂糖とむし歯との因果関係について意識が確立されていなかった時代ということもあり、女王はその状態になってもお菓子を食べ続けていました。最後には全ての歯が真っ黒になるほどの酷いむし歯になってしまいました。死因はむし歯を放置したことによる敗血症ではないかと言われています。エリザベス一世の肖像画は黒い歯を見せないように口が閉じられています。

(6)むし歯と抜歯
中世ヨーロッパでは悪くなった歯は抜歯するといった治療が行われていました。しかしながらそれは見世物のように広場で行なわれたりと、医学的知識のない者が行う悲惨なものでした。

(7)日本人とお歯黒
日本では弥生時代から明治時代までお歯黒が浸透していました。とてもむし歯の抑制効果が高く、初期のむし歯が発生してから塗布した者でもお歯黒で一生涯進行しなかったと言われていれています。お歯黒理論を応用した日本発の予防歯科材料であるフッ化ジアミン銀(サホライド)は現在でも世界標準で使われているのです。日本人として鼻が高いですね。

(8)中世・近世の日本のむし歯対策
中世日本(鎌倉時代)における歯科医療については秘伝とされていて他者に伝えられることはありませんでした。そのため上流階級の人々のみに治療が行われ、庶民は治療を受けることができなかったようです。この時代の処置としては抜歯が中心でした。近世日本(室町・江戸時代)に入っても歯科治療の基本は抜歯でした。削るという発想はなかったようで、どうしようもないほどのむし歯の痛みを治すには歯を抜くしかなかったのです。麻酔なしで行われるこの処置には痛さゆえに失神する人や恐怖で自殺する人が多かったそうです。想像するだけで背筋が凍るような事実です。

■まとめ■
むし歯の歴史と昔の治療、いかがだったでしょうか?ここまでのむし歯治療は『神頼み』『痛み緩和』『麻酔なしでの粗野な道具を使った治療、抜歯』だったということです。歴史を生きた昔の人々のむし歯の苦しみは計り知れません。

■そして現代!■
麻酔が使われるようになり、歯科技術はどんどん発展してきました。むし歯の治療、予防対策の進歩によりむし歯は減少傾向にあります。それでも放置しておくと最悪の事態を招くこともあるむし歯。歯科の定期検診での早期発見、むし歯予防に努めていきましょう。(宇梶)

オススメ


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人工歯の違い分かりますか?

今回、入れ歯の歯(人工歯)について少し話してみたいと思います。よく咬めて使い易い入れ歯を製作するためには、患者様一人ひとりに合った審美性・咬み合わせを考えて人工歯を選ぶことが大切です。


「前歯の人工歯」
前歯の人工歯では、白い色、黄色味の強いものなど様々な色調、また大きさの大小、さらには四角い歯・丸みのある歯・テーパーの強い歯などなど、多くの種類があります。

「奥歯の人工歯」
奥歯の人工歯では咬み合わせを考える点から、咬む面の形態的特徴や大きさの異なる多くの種類があります。

これら前歯・奥歯の人工歯を、個々の患者様の特徴(性別・体格・顔面骨格の形態・咬み合わせ・皮膚の色・残っている歯があればその形態・等々)を考慮し、選択します。
どうでしょう、少しは人工歯のことが分かっていただけたでしょうか。(堀越)

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