2025.07.25

 昨今、ワイヤー矯正のマイナスイメージを煽り、マウスピース矯正をもて囃す情報が、歯科医院のホームページ等で散見されます。ところが、マウスピース矯正で治療を開始し、マウスピースでは治らないところは補助的にワイヤーを装着して治療しましょうという・・・これって本当に正しいのでしょうか。

 マウスピース矯正のカウンセリングでは必ず、「マウスピースで治らない、上手くいかない場合には、ワイヤーをつけて治療する場合があります」との文言がついてきます。これは、マウスピース矯正だけでは充分な治療結果を出す確信がないことの裏付けといえます。逆に、ワイヤー矯正のカウンセリングにおいて、ワイヤー矯正でうまく治らない場合を想定し他の矯正装置に誘導するような説明をすることは決してありません。ワイヤー矯正について良いことを語らずにおきながら、最後にやむなく頼りにするのがワイヤー矯正とはおかしな話です。

 ワイヤー矯正は、歯の動きを3次元的に正確にコントロールできる素晴らしい治療法です。ワイヤー矯正とマウスピース矯正の両方の経験ある矯正歯科医に対する調査において、7割近くの歯科医師がワイヤー矯正による仕上がりの方が優れていると回答しています。 国内最大の矯正歯科の学術団体である日本矯正歯科学会は、認定医、専門医、指導医などの資格認定制度をおよそ30年前から運用しています。これらの資格を取得する、あるいは5年毎に更新するには、自分自身で治療した患者の資料を分析し、まとめて考察を加え、学術大会で発表し、資格試験に合格する必要があります。この認定資格試験では、全てマルチブラケット装置(ワイヤー矯正装置)で治療した便宜抜歯症例を提出しなければなりません。マウスピース矯正で治療した症例の発表は認められません。

 歯科矯正学の生物学的、材料学的、その他様々な背景を深く学び、矯正治療の臨床経験を十分に積んだ日本矯正歯科学会の認定有資格者にとってワイヤー矯正は、手元でのワイヤーの繊細な調整により歯の動きを自在に操ることで目標に向かって治療を進めることができる、マウスピース矯正には無い優れた魅力をもつ治療法です。マウスピース矯正の普及とともに、ワイヤー矯正の魅力は一層際立ってきているように感じます。

 このような現状を鑑みるに、マウスピース矯正がワイヤー矯正に取って代わる日が来るのは、まだまだ先の先の話であると思われます。

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