9月21日(土)、22日(日)の2日間、福岡国際会議場で開催された第49回日本口腔インプラント学会学術大会に参加してきました。今大会のテーマは、「インプラント治療が拓く未来−スキルとテクノロジーの融合−」です。学会がこれまでに取り組んできた「安全性」「患者満足度」「高齢者への対応」「健康寿命への貢献」などの重要なテーマを実現するための基礎となるのは、インプラント治療を患者に施す歯科医師の技術であり有用なテクノロジーであることから、今大会では参加者のスキルアップと知識の向上を目指したプログラムが組まれておりました。
残念なことに昨今、インプラント治療に関連するトラブルを耳にする機会に度々遭遇します。基本に沿って術前診査を行い、無理のない治療計画を立て、基本に忠実に施術をすれば、問題を起こすことは普通ないものです。一方で、治療が終了したインプラント補綴物を長きにわたり経過良好に維持するためには、患者さん自身が行う日々のブラッシングと歯科医院で定期的に行う専門的メインテナンスが大切であることを、改めて実感している今日この頃です。インプラント治療法が確立された今日、これまでのインプラント治療を振り返る「回顧」の時期が来ているようです。
今目の前にいる患者さんに行なっている治療が、10年後、20年後、さらにその先にその方の口腔内で問題なく機能していくためには今何をするべきか、そういった視点から、全ての患者さんの治療を考えていくことをこれからも肝に命じていきたいと思います。
檜山成寿