歯石とりを希望して来院される患者様は少なくありません。これは、当院に限らず歯科医院全般の傾向と思われます。歯石とりは、保険制度上は「歯周病に対する予防および治療」との位置づけになりますので、歯石とりの前には、歯茎の検査、歯磨きの練習を必ずすることになります。今日もいらっしゃったのですが、時間がないので歯磨きなんかいいから歯石だけとってほしいと希望されている患者様。あなたはどうして歯石ができるのかご存知ですか。それは、歯磨きが十分にできていないために、歯垢が残っていて、これが石灰化することで歯石になるのですよ。歯石がついたら歯医者でとってもらえばいいという安易な考えはどんなものでしょうか。基本は、歯石が付かないようにしっかり歯磨きができるようになることの方が大事ではないですか。これはまた、今、非常に問題になっている医療費増大の観点からも、「予防に勝る治療なし」、大切な心がけだと思うのですが。私はこのように心の中でつぶやきながら、でもきっとこれを説明したところで「結構です」といわれる勢いでしたので、歯石とりだけさせていただきました。患者教育もなかなか難しいものです。そうはいっても、大部分の患者様はそのような私の考えに賛同いただいて、一生懸命ブラッシングの練習をしていただいております。がんばれ。